PROJECT 02
エンドユーザー=運転者の視点をコンセプトに据え
SoCのポテンシャルを伝えるデモシステムを開発!
製品のポテンシャルを伝えるために、ハードウェアからアプリケーションソフトウェアまで開発。
『車載SoCである「R-Car」のポテンシャルをどう世の中に伝えるか』を出発点としたのが本プロジェクトです。そのために、プレスリリースや各種展示会などで見ていただくデモシステムを開発しました。
ハードウェアとしては、「R-Car」の評価ボード、表示機器 (LCD) 、操作機器 (タッチパネルやセンサ) 、画像入力 (カメラ) を準備します。その上で動作するアプリケーションソフトウェアまで開発しています。さらに、キャンバスデモ (※1) 、次世代表示・HMIデモ (※2) 、バックライト制御・色管理デモなどを開発しました。
※1.キャンバスデモ:複数ディスプレイをあたかも一つの大きなキャンバスかのように一画面と してつなぎ、アプリケーション画面が状況に応じて、運転者が望む位置とタイミングで表示 する、ということを表現しました。
※2.次世代表示・HMIデモ:ドライバモニターにより運転者の状況を把握し、クラウドから取得さ れる情報と組み合わせて、ユーザに行動を促すだけでなく、AR HUD (Head-Up Display) で実 際の風景に表示を重ねることで、より直観的でわかりやすい表示を実現しました。
3 Card/Text Snippet
運転者視点を中心としたコンセプトで
SoCのポテンシャルを伝えることができた。
「R-Car」には複数アプリケーションを低消費電力で実行するための独自開発IP (※3) とバスシステムが搭載されています。これにより、ナビや動画再生といったインフォテイメント (※4) と、グラフィックメータやADASといったより安全が重視されるアプリケーションを、それぞれが阻害されることなく、しかも同時に実行することができます。 複数のデモを開発しましたが、コンセプトは一貫して「運転者が必要とする情報を、適切なときに、わかりやすい形で提供する」ことです。今後の車内環境において運転者はあふれる情報の中から必要なものを探すことがストレスになるだろう、という仮説をもとに、エンドユーザー視点からシステムレベルでの提案を行いました。 このように、ルネサスではSoCだけでなく、その性能を最大限に引き出すソフトウェアや開発環境の提供に力を入れています。今回のプロジェクトのように、自動車メーカーからフィードバックをもらい、将来の自動車の姿などを直接議論できるようになったことは大きな収穫でした。この経験を、今後のコネクテッドカー時代に向けた次世代製品の開発に生かしていきます。
※3.IP:一般に「IP(intellectual property)」は知的財産を意味し、発明やデザイン・著作物などを 指しますが、ルネサスが呼ぶIPは、半導体の設計情報を指します。 楽) 」の機能を幅広く提供するものを指します。
※4.インフォテイメント:自動車に「インフォメーション (情報) 」と「エンターテインメント (娯 楽) 」の機能を幅広く提供するものを指します。